SSスクール【妙高市の少人数・個別指導塾】

新潟県妙高市の学習塾 成績アップ・高校合格を徹底サポート!

先月も大学入試改革の話題に触れましたが、同じ教育再生実行会議の場で
センター試験を廃止して、新たに「達成度テスト(仮称)」を創設する方針を
固めたとの報道がありました。「達成度テスト」は2段階になっており、
高校在学中に学習の到達度を測るテストを「基礎」、現行のセンター試験に
あたる物が「発展」というかたちで、2回にわけて試験を実施するということでした。

下村文科相は「高校段階における学習の到達度を把握し、高校の指導改善や
大学入学選抜に活用する新たなテストとして、基礎レベルと発展レベルからなる
到達度テストを導入する方向で現在調整している」と述べていますが、
「一発勝負ではなくなるので助かる」という声があがる一方で、
「試験体系がより複雑になり、高校生の新たな負担になる」という声も聞かれます。

私は後者の声に賛同します。まだ方針を立てただけですので、これから具体的に
実施時期も含めてどのような体系になっていくのかが不透明ですが、
「一発勝負」であることの負担よりも、一発ではないので目標が定めにくい負担の方が
大きくなってしまう危険があると考えます。

私は生徒に「体調管理も含めて試験だ」と、受験生に限らず口をすっぱくして言っています。
中学3年間の集大成を見せる高校入試日に、高校3年間の集大成を見せるセンター試験の日に
万全の体調でないということは、運が悪かったのではなく、「自己管理」という試験で
ふるい落とされたのだと。社会人になって、会社の行く末を占う大切な会議の日に
体調を崩して万全のプレゼンができない人間は、会社からの信頼を得られません。
少々きつい言い方ですが、そう言って生徒たちの自己管理を促しています。
その意味でも、入学試験は一発勝負であるべきだと考えています。もちろん、センター試験が
1月という時期に実施されるべきかには疑問を持っていますが。

今回の改革が実施されるのは、早くても5年後とのこと。これが多くの高校生にとって
チャンスが増えて有益になることを望みます。

自民党から発せられた新しい指針の中で、
義務教育過程における土曜授業の再開を
検討するというものがありました。

ベネッセのアンケートでは
保護者の約7割が土曜授業に賛成する一方で、
教員の約7割が「実施しないほうがよい」という
回答だったという結果が出ていました。

いわゆる「ゆとり教育」の一環として、児童・生徒の余暇の
時間を多くするという名目で進められた完全週休2日制ですが、
公務員である教師にとって、市役所などに勤務する職員は
もともと完全週休2日制なのですから、休日数や待遇面で
不平不満が出ていた…というのもれっきとした背景です。

先のアンケートでも教員側の回答理由の中には
「公休日数の消化が煩雑化する」「交代で休むとして
教員を増員しなければならないので人件費が増える」といった
ものが目立ちます。年間で決められた休日数を削ってまで
職務に当たらなければならないとは思いませんが、
煩雑化や人件費といった【方法論】で土曜授業を
敬遠するのは いささか論点がずれているように思います。

どういった学習サイクルが子どもにとって効果的かつ負担が
少ないのか、その議論を進めた上で土曜授業の是非を問うて
みるべきなのではないでしょうか。サービス業に従事する
ご両親が増えた昨今、日曜は仕事で土曜は家族団らんの
貴重な時間だという意見もあります。

未来ある子どもたちが一番幸せになる結論を
導き出せたらと思います。

一般紙でも大きく取り上げられた話題です。表題は毎日新聞電子版での見出しです。
この見出しだけを見ると、大学入試(2次試験)の、いわゆるペーパー試験をすべて廃止し、
面接や論文などで合否判定を行う、というように見て取れるのですが、これはこの記事の
元となった教育再生実行会議で発表された内容とは、真意が違うように受け取られると思います。

教育再生実行会議でまとめられた真意も含め、詳しく解説されている記事がありました。
【国公立大入試はどう変わる? 現状の問題点と大学入試で問う力】寺西 隆行(株式会社Z会理科課課長)

上記の記事をさらにまとめると、ペーパー試験をすべて廃止するのではなく、
大学の求める人物像と、入学者がよりマッチするように入試方法を改善するということです。

もちろん大学の希望に見合った人物を獲得するためには、面接や論文などで判断しなければいけない
ケースも出てくると思います。私は寺西氏の書かれている「知識型の入学試験」の問題点に注目しました。
今の入試は知識の有無を問うている形式がほとんどです。これは全国の高校入試でも同様で、
「豊臣秀吉が将軍になって、行った政治は主になにか?」という問いに、「太閤検地・刀狩り」と
答える形式です。私はこの形式を、TVのクイズ番組の早押し問題としばしば生徒に言っています。

昨年、小中高での学習指導要領の変更が実施され、それに伴い教科書も改訂されました。
そして加えられた問題は「豊臣秀吉はなぜ太閤検地を行ったのか?」というものでした。
これは太閤検地がどういうものかを知っていなければならない【知識】の分野と、それがなぜ
必要だったのかということを相手に説明しなければならない力とが必要になります。
この【説明する力】の育成に、これからの教育が重点を置き、この力を持つ人物を大学が・社会が
必要とするのだと思っています。言い換えれば、今までの世代はこの【説明する力】を育てて
こなかったのだと感じています。

学習指導要領が変更されてまもなく2年、早ければ今年度の高校入試からこの【説明する力】を
必要とする問題(いわゆる記述式問題)が、多く出題されてくるのではないかと思っています。
また大学側のこういった動きは、高校入試をつくる各県の教育委員会の方針をも動かすものでしょう。

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